2017年6月9日金曜日

赤外線カメラ(サーモグラフィ)を利用したヤマネの巣箱調査

ヤマネのお宿」を使用した巣箱調査地で、「ヤマネのお宿」をサーマルカメラ越に点検しますと、巣箱利用動物の有無がはっきりわかり、巣箱点検効率が格段に向上します。



ヤマネのお宿の容積は木製巣箱の容積より格段に小さく、巣箱利用動物が巣材をあまり持ち込まずに利用できます。
ヤマネは巣穴側に巣材を集めても、底には余り巣材を敷かず塩ビキャップ側に休眠しています。
ですから体温を下げて休眠していていてもヤマネのお宿の外からサーマルカメラを当てると塩ビ部材の下側や底面にヤマネの体温による発熱と塩ビ自体の発熱の温度差が出ます。

炎天下の日中は直射日光がヤマネのお宿に当たっていると、塩ビ素材自体が発熱していますので識別は難しくなりますが、塩ビ部材の下側や底面に高温の部分があるかないかで判断できますし、雲天・雨天時には問題なく識別しやすいかと思います。

木製巣箱で同じように識別できるか試してはいないのですが、これまでの経験上、ヤマネもヒメネズミも巣箱内に巣材を大量に入れ、その中心部にいたことが多く、更には塩ビの厚み以上に板の厚みで識別は難しいのではないかと思います。
これまで巣箱を開けて巣材を取り除くしか巣箱利用動物が確認できなかったことを考えますと、巣箱点検効率が少しでも高まることを期待します。