2010年9月12日日曜日

ヤマネ生息調査へのご理解とご協力をお願致します。


















(写真は木製巣箱に入ったヤマネです。)
先月、ヤマネ目撃情報の照会をお願いいたしました匿名希望の方からhttp://www.shigakogen.gr.jp/blog/?p=324#respond
下記のメールをいただきました。
送信者:yamane
日付:2010/08/23 19:32:04
件名:???情報の秘密
本文 「あなたに教えるとyoutube動画のように巣を壊してイジメるは、営巣中を棒でツッツクはで、酷い事この上無しなので教えてやんないよ。皆の森に来ないでね。」
また私が他の方のブログ上でヤマネ目撃情報交換を行った事に関してコメントをいただきました。
コメント内容
「この人に情報を教えると、youtubeでアップした動画に観るように、営巣している巣を掻き分けてイジメるし、繁殖・子育て中の巣を棒でつっついて脅威を与えるは・・・ 研究・調査を名目にして捕獲はするはの酷い始末・・・ 大切で貴重な小さな野生生物はそっとしておきましょう。こういう方の目に触れさせないようにしながら。」Posted by yamane at 2010年08月23日 20:00
お叱りのメール内容ですが、私が以前にツツジの枝先に巣を作ったヤマネの紹介を致したことに対してのお叱りと思います。
投稿記事 自然状態のヤマネの巣http://yamanenoseisokubunpuiki.blogspot.com/2009/08/blog-post.html
上記の動画投稿
投稿記事 ヤマネの自然巣での繁殖http://yamanenoseisokubunpuiki.blogspot.com/2009/08/blog-post_28.html
上記の動画投稿
以前からヤマネが樹洞や野鳥の巣箱、天狗巣病の枝先に巣を作ることか知られていました。
今回はその天狗巣病の枝先にヤマネが巣を作った事例を紹介したものであります。
事例紹介に終わりヤマネの巣へ刺激を与えたことや写真・動画撮影の意図を説明しておりませんでしたので、ここに加筆させていただきます。(ご教示頂いたメールアドレスが不通、たくさんのコメントいただいた折のURLが未添付のため直接返答できませんでしたのでここに加筆の形で回答させていただきます)
確かに営巣中のヤマネの巣を小枝で突っつきヤマネの所在・繁殖を確認し映像に収めたことは、ヤマネ自身の立場からすると大変に脅威であり、可哀想な事を致しました。
このヤマネの巣は歩道沿いに作られていて、地上高1m位の位置に作られていた物です。
巣の存在確認は2009/08/03になされ2009/08/11にヤマネの所在確認を致しました。そして2009/08/28に繁殖確認を致しました。
所在確認でヤマネの巣に刺激を与えてから繁殖確認までの約半月はヤマネは同所に止まり営巣をしていました。
繁殖確認をした後はヤマネは近くに設置をしていた調査用の木製巣箱に幼獣ごと引越し繁殖を終え、ヤマネの子供たちは巣立ちました。
調査用巣箱でヤマネが繁殖していた場合は幼獣の頭数確認と写真撮影をするのみで、ヤマネへの刺激は最小限に留める方針で巣箱調査をしております。
一般的にヤマネが巣を作ったり冬眠する立ち枯れの木は安全管理上伐倒され、天狗巣病に罹った枝先は菌の伝染防止で取り除かれ焼却されます。
しかし人間の都合で処分となる枯死木や罹病枝をヤマネが利用する場合があることの事例紹介の意味で写真・動画撮影をし、情報公開を行いました。
またヤマネの生態調査へのお叱りのコメントもいただきました。http://yamanenoseisokubunpuiki.blogspot.com/2009/04/blog-post_1825.html
「研究・調査を名目にして捕獲はするはの酷い始末」とのご叱責もその通りでございます。
巣箱で捕獲したヤマネはビニール袋やネットに入れ体重測定を致します。
雌雄の判別はヤマネの背中をつかみ肛門と生殖器の位置関係で判定いたします。
ヤマネの生態を調査するためには個体識別で耳介に傷を付けたり穴を開けたり、ICタグを注入器(針の太い注射器)でヤマネの背中に皮下挿入いたします。
しかし上記の内容は文化庁の現状変更許可並びに県の鳥獣捕獲許可を受けての行為であり、ヤマネの生態調査には不可欠の物であります。
これまで何十年と一途にヤマネの研究をされてきた研究者の方のひたむきな努力の結果、ヤマネの生態が少しづつ解明され始め、その方の書籍・文献・講演等で私達はヤマネの知識を与えられております。
1年の約半分を冬眠し夜行性で人目に付かないヤマネですが、Web上での目撃情報を収集しましたところ、意外と多くの方がヤマネを目撃されております。
特に家屋内に入り込むヤマネにつきましてはネズミ捕りによる誤捕殺や、フタの無いゴミ箱・バケツ・浴槽・洋式便器等に落ち込み衰弱死する危険性が高まります。
野外においても巣立ったばかりの亜成獣が地面・道路に衰弱して動けない例や、春先の気温変動により雪上で休眠しているヤマネが発見されております。
ヤマネの生息情報の公表は多くの方とヤマネが以外にも身近に生息していることの共通認識につながればと思います。
上記の内容でヤマネ目撃情報の募集と生息分布図作成・公開、ヤマネ生息調査へのご理解とご協力がいただけるかは不明ですが、今後ともご叱責のメール・コメントを頂ければ幸いです。
以上長文で失礼を致しました。